<p>何か心に響くリアルな言葉を味わいたい。<br><br>本を読み進めてきたここ数年で、そんなことを思うようになりました。読書を本格的に始めだした高校卒業当時は、読み易い小説ばかりを「ジャケ買い」していたのですが、いつからか自分の求める本の方向性がわかってきたからか、そんなことを思います。<br><br>今回は、そんな心に響くようなリアルな言葉の数々も楽しめられるような、いつもと違った読書を楽しむためのおすすめのジャンルをご紹介いたします。<br><br>これまでの読書をさらに良いものにし、また、感性に訴えかけられるようなそんな読書体験を楽しんで頂けるよう、何か参考にりましたら嬉しいです。<br></p><h2 id="hdbc7090aa4">ジャンル1：思想・哲学</h2><p><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/aad3c379fa594b45a0a6df082aaf8743/2830b84abd3d45cfa4e7f1cc210c5eb3/DSC00209-min.jpg" alt=""><br><br>より読書を楽しむためにおすすめしたい1つ目のジャンルは、思想・哲学系です。<br><br>思想や哲学と聞くとすごく難しそうなイメージがないでしょうか。私もそう感じます。字面だけでもう難しそうです。実際読んでみると、これまた難しいものは本当に難しく難解なんですね。「これは私レベルでは到底ついていけない・・・。」となることも多々あります。<br><br>ただ、難しいものもゆっくりと順を追って読み砕いていくと理解できるものも多くありますし、特段難しいと感じることなくスッと理解できる内容のものも多数存在しています。<br></p><h3 id="h5cd0180527">自身の核となる哲学を見つける</h3><p><br>字の如くではあるのですが、思想や哲学系統の本は自身の核となる部分を形成できる本のジャンル。なんと言いましょうか、自分が生きていくために大切にしたい考え方、物の見方というのを学ぶことができるように思います。<br></p>

<p><br>岡倉天心の『茶の本』をはじめ、日本特有の精神から自己の哲学を見出していくのも大変面白みがあるなと思います。<br></p><h3 id="h17fc16f7f4">「難しい」を読み解くという楽しさ</h3><p>思想・哲学系の本は難しいのが前提と思って、「これはどう読み解くのが正解なんだろうか？」と考えながら読み進めていくのもこのジャンルの楽しさであったり、醍醐味となる部分なのかもしれません。<br><br>難解なものは大変に難解ですから、全てを読もうともせずに、まずは自分で読み砕けそうなところから意味を考えて理解してみて、自分で納得がいったら少し難しいところを読み解いていく。そんな風にして一気に全てを理解しようとしないことも大切ではないでしょうか。<br></p><h2 id="hbb7011721f">ジャンル2: エッセイ</h2><p><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/aad3c379fa594b45a0a6df082aaf8743/d2700b3bdc12473cb92a2c8de52ad362/DSC00398-min.jpg" alt=""><br><br>より読書を楽しむためにおすすめしたい2つ目のジャンルが、エッセイです。<br><br>エッセイはいつしか私の大好きなジャンルとなってきて、冒頭で書いたように「リアルな言葉」というものを直に感じられるのがすごく心地よいです。<br></p><h3 id="h3ad4aa3803">そもそもエッセイとは？</h3><p>日本語では「随筆」と呼ばれるもので、古くからある文学のジャンルです。<br><br>その内容は、日常で起きた出来事や自身で考えたことなどを、そのまま自分で文章として表したものになります。日記であったり、最近のもので言えばブログに感覚としては近いかもしれません。<br><br>著者が目で、肌で、手で、口で、耳で、五感を使って感じられた人生のあれこれを、時に楽しく、面白く、時に感動的に、時にシリアスに生々しく描写されていきます。<br><br>そうしたエッセイの数々は読んでいて飽きず、心から充足される気分になれます。自分も同じような経験をした気になれて、新たな感性を取り入れられたような清々しい気持ちになる気がするものです。<br></p><h3 id="hd1b65e6eeb">旅エッセイ</h3><p>旅エッセイは、自分も行った気になれてしまう楽しさが魅力です。<br></p>

<p><br>前川健一さん『プラハ巡覧記』もそんな旅エッセイの一つでした。<br><br>普段の生活の中で感じられる当たり前が、海外の体験を通してより有難いものであると感じたりといった旅だらこその学びは、私たちも生活や人生の中において参考にできる学びである気がしています。<br><br>実際に行ったわけではありませんが、リアルな描写の数々やそれぞれの著者ならではの視点が、私たちに新たな気づきと体験を、本を通して届けてくれるのも旅エッセイの大きな魅力です。<br></p><h3 id="h8ed9ea1ed1">料理・ご飯エッセイ</h3><p>一時期ご飯エッセイだけの本を集めて本屋さんをやったら楽しそうだな〜とか、そんなことを思った時期がありました。それくらい、この料理・ご飯系のエッセイも心地よいです。<br></p>

<p><br>馬田草織さん『ようこそポルトガル食堂へ』は、旅エッセイと通ずる部分も多分にありますが、旅の中で出会った料理の数々がとても魅力的に綴られています。<br><br>日本国内においてもそうですが、同じ料理でもその土地土地で場合によっては大きく作り方が異なることもあるように、色々な風土や習慣等々による特色が出てくるのも一つの魅力だと思います。自分も行ったことの無い世界中の色々な場所で感じられた事として、そういった違いについてが書かれた文章は、読み進めていくとこれまでと違う新鮮な読書体験となります。<br><br>また、自分が食べたことのある料理も、他の誰かが文章にしてみると少し違った視点で捉えていることもあったりして、多様な気づきが得られるのも魅力的です。<br></p><h2 id="he331acab64">さらに読書を楽しむために</h2><p><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/aad3c379fa594b45a0a6df082aaf8743/4d740c5a3e564914a5938719e3c2c39c/DSC00380-min.jpg" alt=""><br>今回は、さらに読書を楽しむためのおすすめジャンルとして、思想・哲学とエッセイの2つのジャンルをご紹介しました。<br><br>どちらも本を長年手にとられる方なら一度は読まれたことがあるジャンルかと思います。まだ読まれたことない方は、新たな扉を開くようなイメージで読んでみられると「意外に難しくないな〜」とか「すごい心地よかった」とか「やっぱ哲学ムズすぎw」と新鮮な感覚を味わっていただけると思います。<br><br>ムズかったら最後まで読まず、また他の楽しそうな本を読んでみるのも全然ありだと私は思っています！！机の横にでも置いて積読をしておけば、時間が経った時にすんなりとその本が身に染みることもあったりするものです。<br><br>本は売ったり、ヘマしてコーヒーでもこぼさない限りずっと残るものですから、読んでみようかなと思った時がタイミングだと思って、難しければ別の機会に再チャレンジしてみてください。<br><br>ぜひこれまでとは違う更なる楽しさを、読書の中で見出していただけましたら嬉しいです。<br></p>

今回は心に響くようなリアルな言葉の数々も楽しめられるような、いつもと違った読書を楽しむためのおすすめのジャンルをご紹介いたします。感性に訴えかけられるようなそんな読書体験を楽しみたい方にも特におすすめのジャンルをご紹介しています。

さらに読書を楽しむためにおすすめしたい書籍ジャンル - 感性に訴えかけるような読書体験を

<p>神話と聞くと、大変壮大な物語を思い浮かべやすいかと思います。アルテミス、ポセイドン、ゼウスといったギリシャ神話に登場するような神々であったり、はたまた、アマテラスやスサノオといった日本的な神々の存在・神話も浮かびます。<br><br>本書を読了するまで私は、神話というものがただ「常識を超越した次元での架空の物語に過ぎないものである」という認識でしかなく、そこには多くの事象が織り交ぜられていることに強く感動したものです。神話についてを探究していくことは、哲学的思考であったり、世の中の成り立ちについてを深く考えさせられることでもあるのだと気付かされました。<br></p><h2 id="hfba2c4fc69">神話についてを学ぶということ</h2><p><br>中央大学の教授で、宗教学者、思想家でもある中沢新一さんが書かれた本書は、哲学と神話の結びつきから始まり、神話というものがはるか昔からどのような位置付けをなしていたのか、またどのようにして分布し、世界各地でどういった共通点を持って語り継がれていったのかなどを紐解かれています。<br><br>途中ディズニー作品としても大変有名な「シンデレラ」と神話との関係が解き明かされますが、シンデレラは神話として同じような話が世界の様々な場所でそれぞれ多少の差異も持ちながら継承されてきたことを知れます。そこには、社会的なメッセージであったり、共通して語り継がれている概念のようなものが垣間見れたと感じました。<br><br>また、宗教と神話の相違も大変興味深いものです。どちらも、超越した存在が登場したり、私たちの力ではどうしようもできないことへの解決のため、人力を超えた力が登場したりもしますが、その根底となる部分には明確な差異があることも本書を通して理解を深められます。神話というものが最古の哲学と考えられる理由が、こうしたところからも見えてくる気がしました。<br></p><h2 id="h1f502daa6d">神話的思考を持つことの大切さ</h2><p><br>本書全体を通して感じたのは、神話には独特な思考があって、それは簡単なものでないため安易に理解できるものではありません。ここに哲学と共通するものがあるかと思うのですが、こうした思考が、現代のような複雑な社会の中では、より問題解決や自身の美学を確立するといったことにつながるのかと考るに至ります。<br><br>節分に豆まきをすることがあります。これも意味があるようで、神話的思考において豆とは男性性と女性性を媒介するものであると考えられているようです。ここから発展して、豆が生と死の媒介といった意味をなすことがあるようであり、こうした考えも、少なくとも私自身は安易に理解できるものでありませんでした。鬼に対して豆を撒くことで、鬼という悪なるものを退散させる。そうした思考で止まりがちであり、そこから先に、男性性と女性性であったり、生と死の媒介が絡んでいることまでは容易に想像できるものではありません。<br><br>ですが、本書を読了した今、こうした神話的な解釈で物事を考えられるようになると、新しい考え方や価値観といったものが芽生えるのかなとも思うわけです。<br><br>本書だけでは神話全てを掴むことができるわけではないので、今後も多数の神話に触れながら、神話独自の思考を自分の中に蓄積することが必要といえるでしょう。そうした先には、今までと違った自分の中の価値観や考え方が芽生え、自分の中の哲学として、また一つの美学として、核となるものが形成させれるのではないだろうかと考えるに至りました。<br></p><h2 id="hfd6d8a290b">神話に見られる普遍性</h2><p><br>また、世界各地で少しづつ形を変えながら同じような神話が語り継がれていることからも、そこには人間としての普遍的なものがあるのだろうと推察します。この点に関しても先述のように、今後自発的に多くの神話と巡り合っていく必要があるかと思いますが、多くの神話に触れる中で、やはり普遍的な何かが見えてくるのではないかと思うのです。<br><br>そこにはきっと、人間として生きることであったり、植物や動物、自然など、私たちの身の回りの存在と共生していく中で大切にすべき重要なエッセンスが多数詰め合わされていると考えます。これらを踏まえると、コロナだけでなく環境問題も深刻化してきた現代においては、神話独自の思考に触れることは、人間として・生命として、”原点”に立ち返るといった意味において、大変意義のあることなのかもしれません。<br><br>---本書は神話や民俗学、また哲学などの類についてあ</p>

神話を学ぶと見えてくるもの - 中沢新一さん『人類最古の哲学』

<p>美しく生きるとはどのような生き方でしょうか。<br><br>個人的に本書を通して感じたことが「美しい」「美」という言葉に全て集約されている。そんな気がしています。<br><br>3、4年ほど前に本書を手にとっていましたが、ある程度また歳を重ねた今再読してみると、心が透き通るような、そんな気持ちに包まれたのが読了後から感じている感想です。<br><br>改めて自身の生き方を見つめ直したいと強く思いました。<br></p><h2 id="h954c1d8805">混沌とした現代だからこそ通用する「生き方」</h2><p><br>京セラドームの名やCMなどを通して「京セラ」という名前を一度は耳にしたことがあるかと思います。<br><br>著者の稲盛和夫さんは精密機器や半導体の材料として開発されるファインセラミックスの専門メーカーとして1959年に、現在の京セラを創業されました<sup>(1) </sup>。<br><br>京セラ以外にも、日本航空の会長へ就任されたり、現在のKDDIを設立されたりと、これまでには幅広く事業に携わられてこられました。<br><br>本書ではそんな稲盛さんが、ビジネスパーソンとしてご活躍されてきた中で培われてきたご自身の「生き方」が詰め込まれています。<br><br>理念や理想、哲学といったものがなぜ必要なのかや、継続の大切さ、内省の重要性、人の上に立つ人が求められるもの、足るを知るということなど。仕事をする上でというだけでなく、そもそも一人間としてどう生きていくべきかを、稲盛さんのご自身の実際のご経験も交えながら綴られています。<br><br>本書は何か特別なことや難しいことだけが列挙されているわけではありません。<br><br>私たちが学生時代、道徳や総合の学習を通して習ったであろう、普遍的な内容について、稲盛さんご自身のご経験と言葉で綴られています。<br><br>だらかこそ、こうして混沌とした現代を生きる私たちが、改めて清らか心へと立ち返るという意味においても、大変一読の価値のある書籍だと感じす。<br></p><h2 id="h5e9b628676">踏ん張る力のある「生き方」</h2><p><br>今のように大きなテクノロジーの発展もない時代から、新たな可能性を求めて日々邁進されてこられた稲盛さんが、若き日から多くの成功や失敗をご自身としても、また側から見るということ含めてご経験されてこられたと思います。<br><br>数多くのご経験をされてても、やはり継続すること、一つのことをひたむきに泥臭く続けること。これほどまでの美徳はなく、また一番単純で一番確実な成功までのプロセスなのだと再認識するに至りました。<br><br>私のような凡人は何か裏技があるのではないかと、常々考えてしまいます。楽をしたい。それが率直な部分です。だからこそうまく継続ができませんし、なかなか結果につながりません。ですが、やはりそれなりの形を求めるならば、十分な努力が必要である。辛くても、飽きたりしても、そこで踏ん張る力が必要なのだと。とはいえ、簡単には長期にわたってできないものです。<br><br>こうした部分においても、稲盛さんの美しさのようなものを強く感じます。成功を求めてひたむきに努力する人。そうした人の心はやはり美しく、華麗なものであると思うのです。<br><br>また、私はこれまで、美しいとは表面的なビジュアル面でのことについてばかり、頭がいっていました。あの人綺麗だよね、とか、あの花美しいねのような単純なもの。ですが本書を通して”美しい”という言葉を内面的に捉えるといった価値観が新たに芽生えたように思います。<br><br>もちろん内面的な捉え方が一切なかったわけではありません。ですが、より鮮明に内面的な美しさという考え方を本書が芽生えさせてくれたように思うのです。<br></p><h2 id="hf873828feb">美しい心を手にするための「生き方」</h2><p><br>美しい心はどのようにして手にすべきでしょうか。や<br><br>はり、それは人間として正しいと思うことを日々心がけていくこと。これに尽きるのでしょう。嘘をつかないであるとか、約束を守であるとか、正直であるとか。ごくごく単純なことです。プロローグにおいて、この部分が強調されています。<br><br>やはりごくごく単純なこと。それが美しい心を手に入れるために必要な生き方なのだと思いました。<br><br>こうした美しい心は、以前紹介した塩谷舞さんの著書『ここじゃない世界に行きたかった』にも通ずる部分があると思っています。<br></p><blockquote>自分の中の美的な感性は、ときに人に優しくもできる気がします。自分の中に広がる美の空間においては、邪な考えや感情は全くもって不要なもので、美の世界を汚染するもの＝心を汚すものでもあると考えるのです。それは人間としてのあるべき姿にも直結するのだと。そんな様に思います。<br>https://feel-life.site/beautiful-world/</blockquote><p><br>記事の中において、上記のようなことを書かせていただいたのですが、稲盛さんの示される生き方と、塩谷さんの著書を読ませていただいた時に感じた美的感性云々には共通する部分があるなと。<br><br>つまりは、外面的に求める美しさと内面的な人間的美しさには共通する部分があって、綺麗な心を持った生き方をされている人の多くは、外見的な美しさにも反映されているのだろうと考えられる気がします。<br><br>実際心の綺麗な人は、身なりもきちんとされていたり、独自の美的なセンスが光り輝いている人が多かったりすると思うのです。複合的に美を求めることは、もしかすると、人として大切なことにも気付かされるのかもしれません。<br><br>---ベストセラーともされる本書は、複雑な人生という旅路において、より自分が伸び伸びと暮らしていける方法が大変シンプルで単純なものであると気付かされる1冊でありました。<br><br>本当の意味で美しい心を手に入れる人が増えれば、世界的に問題となっている環境問題やコロナのことも、はたまた身近な人間関係も、もっと早く、より簡潔に解決へと導いていけるのかもしれません。<br><br><span style="background-color:#dddddd">参考文献</span><br><span style="background-color:#dddddd">(1)京セラ株式会社."沿革".京セラ.https://www.kyocera.co.jp/company/summary/history/until1979.html (2021.09.13)</span></p>

美しく生きるということ - 稲盛和夫さん『生き方』

<p>2020年、丸の内の丸善本店でこの本を見かけた時から、表紙のデザインといい題名といい、なんだか気にはなっていました。その時は手に取らなかったのですが、少し前に知人が本書を手にしているのを見て、やはり読みたくなって購入することに。<br><br>あの時丸善ですぐ手にしておけばよかったと読了した今、少し後悔しています。<br><br>伊坂さん自身、作家としてのお仕事を続けてこられた一つの成果とも述べられている本作は、生きる上で、人として大切なことを考えさせられる短編集です。<br></p><h2 id="hcf6baf21ac">逆ソクラテス</h2><p><br>本書は、小学生の子供たちや、小学生から社会人となった少年少女たちを主人公とした五つの短編作品で構成されています。<br><br>個人的な先入観や価値観に基づいて決めつけをする教師と対峙する話、いじめをする女子といじめをされる女子の話、同じバスケチームの男の子たちの成長と変質者の話など、小学生の生活の一部から多くの物語が生まれています。<br><br>それぞれの話は難しい内容や展開ではないものの、人として生きる上で欠かすことのできない道徳心であったりとか、相手を思いやる気持ちといった普遍的で重要な内容がテーマとなったもの。<br><br>帯コメントには「人生の教科書のような物語」といった表現も見られますが、まさに、作中に登場する登場人物たちに合わせて自分も物語に入ってみると、大変多くのことを学ぶことができる一冊です。<br><br>登場人物たちが交わす小さな会話の一つ一つにも大なり小なり、人生の哲学的な部分が現れている箇所もあり、読み進めるたびに「確かにそうだよな」と新たな見え方と既存の価値観の再認識をする感覚になるのが、個人的には痛快でした。<br></p><h2 id="h7315d19542">自分の中の価値観が創り出すもの</h2><p><br>本書のタイトル『逆ソクラテス』。ソクラテスは無知の知を説いたわけですが、それとは逆の「中身がないにもかかわらず自分の知を主張する様」これがタイトルの意であるようで、特に一つ目の作品についてはこの「逆ソクラテス」が顕著に現れています。<br><br>1作目は、とある生徒に対して常に強く当たる教師の姿が描かれています。何につけても才能がないといった教師の勝手な”思い込み”や”価値観””先入観”の数々が、教師の言動のなかに見え隠れしてます。<br><br>この話を読み進める中で、自分の中での決めつけって多分にあるものだと、ひとり考えました。日々生活をする中では、街を歩くにしても、家の中にいても、仕事や授業、人との会話の中などで、気づかずに多くの”決めつけ”がそこには発生していると思うのです。<br><br>それは、人生をより効率よく生きるために必要なことなんかも中にはあったりして、物事を脳内でより早く処理するために生まれた”良い決めつけ”や”必要な決めつけ”もあるでしょう。<br><br>ですが、本作の先生の話で言えば、人の成長を阻害することや人の感性や才能を否定する、いわば”悪い決めつけ”が作中幾度か散見されます。こうした悪い決めつけは、その人(本書でいえば先生)がそれまで過ごしてきた人生の中で培ってきた価値観が、さらに生み出した結果でもあると思うのです。<br><br>そうした視点から考えてみますと人生においては、自分の中の見識を広げたり、多様な価値観に触れてみたり、確固とした美しい哲学を見出すことがいかに大切であるのかを痛感させられた様に感じました。<br><br>作中の先生には、稲盛和夫さんの『生き方』を一読してほしいものです。<br></p><h2 id="h00f3a94bf9">真面目に生きるとどうなるのか</h2><p><br>『逆ソクラテス』の中には真面目さについてがテーマになった話もあります。<br><br>「正直者はバカを見る」なんて言葉もよく使われますが、日常の様々な場面において、嘘をついていたから穏便に済んだという経験を、生きていれば誰しも大なり小なり経験するでしょう。<br><br>確かに、全てを正しく伝えなかったから事が済む場合もあります。ですが、果たして「正直者はバカを見る」のでしょうか。私は全ての場合においてそうとはいえないものの、やはり正直に答えることの方が大切だと思うのです。<br><br>当たり前ではありますが、とはいえ大人になればなる程これを難しいと感じるのが現実だとも思います。<br><br>仕事でのミスも、友達や大切な人たちとの些細なすれ違いも、小さな嘘をつけばその場の問題は解決に至りますが、やはり小さな嘘はのちに増大することもある。そして、その小さな嘘が結局自分の首を絞めることも少なくない。<br><br>保身のための嘘はなくし、ある意味で”嫌われる勇気”や”叱られる・怒られる勇気”といった、避けたくなるものに飛び込んで正直になる、真面目に生きるといった真っ直ぐな心を今一度育んでいきたいものです。<br><br>「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」という言葉に近いニュアンスが、ここにはある気がしました。<br><br>---本書は物語の展開としても、小学生なりの覚悟も相まったワクワク感がそこにはあって、大変引き込まれる思いで読み進められる作品でした。<br><br>生きていく上で大切にすべきことを、こうした文学作品を通してもゆっくりと再考したいものです。</p>

価値観が創造するもの - 伊坂幸太郎さん『逆ソクラテス』

<p>原田マハさんの短編集『あなたは、誰かの大切な人』のお話にて岡倉天心の『<strong>茶の本</strong>』が登場しており、そこで初めて本書の存在を知りました。<br>これまで茶道を強く習いたい、その様な思いにかられたことはありません。<br><br>ですが今改めて、きちんとした大人として生きるためにも、茶道を習うことで多くの哲学や美学を自分に取り入れてみたいと感じています。<br></p><h2 id="hefaceb72ce">茶道の文化や哲学、美学を知る『茶の本』</h2><p><br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/aad3c379fa594b45a0a6df082aaf8743/4601c0b08ab74bc2bbc6b78571515bd6/0C1A1230-min.jpg" alt=""><br><br>私が手に取った『茶の本』は、大久保喬樹さんが訳されたものです。<br><br>本書では、大久保さんの解説も一緒に収録されています。個人的には内容的にも解説を含めてより理解が深めれたらと思い、大久保さんが解説されたものをチョイスしました。<br><br>さて『茶の本』でありますが、こちらは茶そのものと、その背景についてを深く深く知ることができる一冊といえるように思います。お茶をする上での作法云々ということでなく、思想や歴史などについてが網羅されているといった印象です。<br><br>本書は、明治時代に活躍したとされる思想家の岡倉天心が記した著書で、大きく七章からなります。<br><br>茶という文化の特色、歴史、哲学や思想、茶室のことや日本人の暮らしとの関係性、また芸術作品と鑑賞者の関係といった少し違った視点から見える”茶の根本となる部分”についてが紐解かれていたりと、茶についてを体系的に知ることができる一冊。<br><br>そこには禅と茶の関係についても記されており、日本が古くから大切にしてきた美的感性や習慣、礼儀作法など、茶を知ることで日本人としての誇り高き伝統を学びとれるといった印象でした。<br></p><h3 id="h982f610238">目の前の、その瞬間を味わうという茶道の贅沢</h3><p><br>本書を通してお茶・茶道というものがどういうものなのかを自分で考えて見た時、一つ挙げられることは、とにかく目の前のその瞬間を味わい尽くすという姿勢があると感じます。<br><br>茶室には無駄な装飾はなく、綺麗に整えられた室内には、釜の中で沸々と沸く湯の音だけが鳴り響く。そんな空間で、主人が丹精込めて淹れたお茶を楽しみ、味わう。そこには一切の無駄がなく、目の前に広がる空間、時間だけを味わい楽しむ。<br><br>仏教には「諸行無常」という教えがありますが、禅、そして道教といった仏教の教えも根本にある茶道では、こうした諸行無常の見方が非常に大切にされているように感じました。<br><br>この世の中で常に同じものはなく、刻一刻と全てのものが何かしらの変化をしていくのが世の定めであるといったような教えが諸行無常であります。茶においてはそうした諸行無常に表されるような「変化」があるからこそ、今を楽しむことが大切にされているのだと、読んでいて感じました。<br><br>こうした思考、楽しみ方というのは、大変贅沢なことであると思うのです。<br><br>目の前のことを楽しむ。これは一見当たり前なことでもあるように思えますが、頭には雑念であったり、色々な思考が過ぎるものです。そうした中でも、目の前の時間や空間を心から楽しむことは案外簡単なことではありません。<br><br>また、もう同じ時間は二度と流れることはない。そう思うと、一生味わうことのできない今という時間、空間を楽しむということは見方を変えれば、この上ない最上の贅沢なことであるように思います。<br></p><h3 id="hd425e458c4">今こそ大切にしたい、茶道にみられる”美”</h3><p><br>本書の中では、茶室という空間や庭についても詳しく言及がされています。<br><br>庭に至っては、完全に綺麗に清掃された庭が必ずしも本当に美しい庭であるとは言えないことが、千利休とその息子とのエピソードよりわかりました。枝や葉が全く落ちていないよりも多少落ちていた方が、より自然な美であると、そういったような話です。<br><br>また、茶を楽しむ時間が、もてなす側の主人だけが過剰におもてなしをしてもダメであって、逆に、客人側だけが興味を示しているような形も違う。そんなようなことも考えさせれました。ここには、もてなす側ともてなされる側のお互いの心構えが大切であって、双方に相手を慈しむ心がなくてはならないと思うのです。<br><br>こうしたところから、茶から感じる”美”を今こそ大切にしたいと強く考えます。<br><br>昨今のネット社会では、派手な見た目や生活で人を惹きつけるようなことも散見されますし、見た目に限らず生き方といった広義においても、取り繕ったような美しさが賞賛されることも少なくないような気がするのです。<br><br>これは自分への自戒といった意味でも強く感じいて、なんでも簡単に取り繕うことができるのは、日常生活の様々な場所においてもあることだと思います。<br>こうした社会の中の様々な風潮、問題に視点を向けて見ますと、茶にみられる美は今一度大切にしたい哲学であるように思います。<br><br>自然体で美しい自分でいることであったり、それぞれの立場で相手を思いやるという心の美しさが、先述の千利休のエピソードや主人と客人といった茶の構造からは強く滲み出ていて、改めて自分の生活においても、これらの視点を大切にしていきたいと考えさせられました。<br><br>---茶道というと、普段から習っていなかったりすると、なんだか少しお堅いようなイメージもあります。ですが、その格式高い世界の中には多くの美学や哲学があり、日本人として生きる以上、そして人として、改めて大切にしたいものが多くあると気付かされました。<br><br>こうした日本の文化・伝統についての理解を深めることが、特に現代を生きる私たちには必要なことなのかもしれません。</p>

茶道の文化や哲学、美学を知る - 岡倉天心『茶の本』

<p>道徳、哲学を養うということを考えるとき、古来から脈々と受け継がれてきたものには西洋的な思想と東洋的な思想といった大きな括りがありますが、東洋的な思想という立場の中でも武士道は、世界的に大変認知されているものではないでしょうか。<br><br>「男に二言はない」といった言葉からも分かるほど、潔く、落ち着きやどっしりと構えるような姿勢も窺える武士道の精神には、生きていく中で大切にしたい思想も大変多く詰め込まれています。<br></p><h2 id="h6de5d968ed">日本の精神的土壌『武士道』</h2><p><br>私が今回手にした武士道は、岩波文庫さんより出版されているものです。新渡戸稲造が執筆したその当時、原著は英文で書かれていたようであり、岩波文庫さんで出されているものは矢内原忠雄さんによって訳されています。<br><br>本書武士道は、全17章での構成です。武士道の立ち位置や成り立ちから始まり、義や勇、仁、礼や名誉、忠義など、私たちもどこかで聞き覚えのある部分をはじめ多くの武士道とは何かが記されています。<br><br>また、武士と婦人のことについてや、武士道の将来的な展望についても記されており、武士道という”武士の掟”が武士に関わる人たちについても影響を及ぼしていることが見て取れます。<br><br>心からきちんと相手を敬う部分であったり、美的感性や品性についても言及がある点、また仏教の考えも少なからず影響していることは、日本古来からの思想という意味でも『茶の本』に見られる茶道での哲学とも大変通ずる部分があり、合わせて読み合わせると良い気がします。<br></p><h2 id="hfd2c187d15">戦闘規律だけでない『武士道』</h2><p><br>武士道というものは、簡単に言えば武士の掟であると本書では記されています。この武士道においては戦闘規律といったことだけでなく、そこに道徳的な内容も込められていることは大変意義のあることだと考えます。<br></p><blockquote>「もし戦闘の規律が行われただけであって、より高き道徳の支持を受けることがなかったとすれば、武士の理想は武士道に遥か及ばざるもに堕したであろう。」<br>新渡戸稲造. 武士道. 岩波文庫.</blockquote><p><br>きっと道徳的部分がこの武士道において欠落していれば、もしかしたら今日『武士道』が多くの人に知られるものではなかったのかもしれません。また、日本人が古来より大切にしてきたような道徳的な伝統の数々も、今日とはまた違った形で受け継がれることにもなっていたのでは、とも思うのです。<br><br>本書においては、武士として心得ておくべき道徳的事象についてが数多く言及されていますが、それらはまさに、人として生きていく上で大切にすべきものであり、何か特別なことでもないように感じます。<br><br>平たく言えば、目上の人に対しては敬う心を持って接するであるとか、媚びへつらわないであるとか、嘘を言わないであるとか、そういったこと。学校で教わるようなことであって、やはりこれら誰でも分かるような簡単なことこそ大切なんだと改めて気付かされます。<br><br>こうした道徳的思想は「死」についても大変興味深いものがありました。<br></p><h2 id="h560272d2ec">『武士道』に見る”死”</h2><p><br>武士道において説かれる「勇」の中では、策略もなく無謀な戦いをした結果から招く死を「犬死」と呼び、大変軽蔑されていたようです。ですが、自分の正義の上で招いた死に関しては、潔く受け入れるべきだといったようなことが言われています。<br><br>勇はそうした何事にも動じない強い心、勇気についてが言及されているのですが、死に関していえば、その時が来ればそれを受け入れるといったようなスタンスであったのだと私は解釈しました。<br><br>つまり武士である以上、上記の犬死のような状況でない限りは、死に対しての強い恐怖や抵抗をするのではなく、潔くその時を迎えよ！というのが武士道における死の考え方なのでしょう。そうした思いを第一にして死を迎え入れるには、日頃から自身の心を強靭に整える修練が必要であったのも想像に難くありません。<br><br>また、武士といえば切腹があります。大変興味深いのは、この切腹には恥を免れるといった意味があったことでした。切腹はその当時、大変勇気のあることとして名誉ある最期ともされていたようです。ですがそこには、罪を償い反省の意を示すといったことだけでなく、自身につきまとう恥といったことを払拭する意もあったのだと知り、大変考えさせられます。<br><br>死という方法でもって形式的にも解決に導く切腹という習慣には、厳しい武士としての世界の中での”せめてもの優しさ”のようなものも感じる気がするのです。<br><br>--- 武士道にはその時代の習慣や価値観も大いに反映されており、民俗学的な立場になるのでしょうか、道徳、哲学面での歴史も感じられる部分が大いにあると思います。<br><br>そうした歴史的背景も合わせてそこに示される数々の道徳、思想、哲学、美学の中には、私たちが現代を生きていく中でも大切にしていきたいものがたくさんあり、今でも広く読まれて続けている理由を知れたように思いました。<br></p>

武士が大切にした道徳 - 新渡戸稲造『武士道』

<p>利他、利他、とよく聞く言葉ではありますが、利他という行為がこんなにも奥深く難しいものであると思いませんでした。大変難しい。そう感じたのが読後の率直な感想でもあります。<br><br>コロナにより私たちの生活は多様な苦痛を伴うこととなりました。こうした世の中だからこそ大切にしたい「利他」の精神には、ただ人に施せばそれでおしまい、と簡単なことでもないように感じさせられるのです。<br><br>共存が重要視されるこの世の中において、私たちが大切にすべき思いやりの心の本質に改めて触れてみます。<br></p><h2 id="hbc3664390c">多角的な考察『「利他」とは何か』</h2><p><br>本書は、美学者の伊藤亜紗さん、政治学者の中島岳志さん、批評家で随筆家の若松英輔さん、哲学者の國分功一郎さん、小説家の磯崎憲一郎さん<sup>(1)</sup>の5人の方々による共著です。<br><br>皆様ご自身の専門的な立場から「利他」について多様な考察がなされ、利他という行為がただ人のために施すということだけにとどまらないことを思い知らされます。<br><br>特筆すべきは、利他という行動にも負の側面が生じることもあるといった点。簡単にいえば「助けてあげたんだから何かお返しをくれるはずだ」「これだけやったし、きっと自分の思うように考えるはずだ」と恣意的とも取れるように利他を行うこと。<br><br>これは利他の本質的な部分ではないということです。<br><br>ですが、利他にはそうした自分本位な考え方を自然と行なってしまう危険があることに気付かされます。<br></p><h2 id="hc08c33cf56">魚の釣り方を教えるか、それとも魚をやるか</h2><p><br>個人的にかなり唸った一説に次のような部分があります。<br></p><blockquote>ハリファックスは「真の利他性は、魚の釣り方を教えること」だと言います。<br>伊藤・中島・若松・國分・磯崎, 「利他」とは何か, 集英社新書</blockquote><p><br>私たちはしばしば他人に何かをしてあげようとするとき、全てをやってあげるということを頭に浮かべてしまいがちであると思います。特に困っている時であれば尚のこと。良かれと思って全てをやってしまう部分は少なからずあるはずです。<br><br>どうしてもなんとかしてあげたい！という思いが先走ってしまって、これは仕方のないことだと思うのですが、ですが先の一説をみたときにハッと気付かされます。<br><br>その時に問題は解決しても本質的な解決方法を助けてあげた・やってあげた相手に対して、うまく示したり考えてもらうことができない。それはつまるところ、この先また悩みに直面した時に、うまく解決できないことにもつながるのだと。相手の考える力を奪ってしまうことになりかねないと思います。<br><br>職場で書類の作成に困っている人がいた際に「いいよ私やってあげる！置いといて！」では、この先も同じような書類作成に困る場面が出てくる。日常レベルで言えばこういうことであり、相手を思いやるという行動が短期的な視点だけで考えてしまってはいけないことを気付かされます。<br></p><h2 id="h7ad1d7b599">自分中心の「利他」</h2><p><br>先にも紹介した通り、「利他」においてデメリットとも取れる部分として恣意的な利他に陥るといったことをご紹介しましたが、この部分についてももう少し触れたく思います。<br><br>本書全体を通した印象として、利他に備わる負の面に自分の利益を考えたような恣意的な利他があったと感じています。<br><br>「やってあげたんだから何かちょうだい？」といった見返りを求める姿勢は容易に想像も付き、確かに問題であると思うのですが、ここで考えるべき問題は、自然と出てしまう負の利他です。<br><br>言葉は良いものではありませんが「ありがた迷惑」というのが分かりやすいかもしれません。自分は相手が喜ぶと思ってやった行動も、そこには受ける側にとって問題となる部分があったりします。時にそこには、受ける側の自由を阻害することもある。結果的に間接的に相手を支配しかねでしょう。<br><br>「ありがた迷惑」ととられる行動も大抵が我慢できることかと思いますし、さほどの問題でいかもしれません。ですが、時にそうしたありがた迷惑が相手の自由や尊厳を奪ってしまいかねないことも大変考えさせられました。<br><br>またこの問題の厄介な核として、やった本人は「良いことをしてあげた」と良い気分に満たされる。<br><br>ここでは深く言及しませんが、本書をご一読いただくとどのような自由や尊厳を奪いかねないかが見て取れるかと思います。適切な思いやりの心を持てるように、日々色々な立場にたって物事を見たいと考えさせられました。<br><br>--- 日常においてはついつい良いことをしてあげたくなるものですが、本当の意味で相手を思いやるなら、変に深入りしすぎないことも大切なのかもしれません。<br><br>ソーシェルディスタンスを意識するようになりましたが、意味のある利他を行えるようにするためにも、適切な心のディスタンスというのも日々模索していきたいものです。<br><br><span style="background-color:#dddddd;font-size: 0.75em">(1)皆様の肩書きにつきましては、本書背表紙に記載されているものを参照させて頂きました。</span></p>

本当の「利他」を考える - 伊藤亜紗さんら共著『「利他」とは何か』

<p>『嫌われる勇気』をはじめとした書籍から、アドラー心理学の名が世の中で認知されるようになったように思います。私も以前、嫌われる勇気を読みましたが、そこで初めてアドラー心理学というものに出会いました。<br><br>ですが、アドラー心理学というものへの理解はふわっとしたもので終わっていたのが現実。<br><br>本書『アドラー心理学入門』からは、アドラーという人間の背景から合わせて、この心理学がどのようなものなのかを、より具体的に理解することにつながりました。<br><br>人間関係に悩まれる方だけでなく、サービス業をはじめとした人との関わりが多い方にも手に取っていただきたい一冊です。<br></p><h2 id="h3296a2a7e5">一から学べる『アドラー心理学入門』</h2><p><br>著者は、日本アドラー心理学会の顧問も務められ<sup>(1)</sup>、『アドラー心理学シンプルな幸福論』や『アドラーを読む』など、アドラー心理学に関する著書も多数出版されている岸見一郎さん。<br><br>アドラーという人物の生い立ちや背景から始まり、本心理学と育児と教育についてのこと、また縦の関係よりも横の関係・対等な関係を築くことの大切さについて、アドラー心理学の基礎理論、そしてアドラー心理学を通して人生の意味を見出す、といった内容で構成されています。<br><br>中でも、なぜこの「アドラー心理学」が生み出されたのかという成立についても、アドラー自身の生い立ちや育ってきた環境から紐解かれているのが特徴です。そうした部分から、本心理学についてをより深く理解するための初段階として、手に取りやすい一冊であると感じます。<br></p><h2 id="h90409c9592">アドラー心理学に見る「目的論」</h2><p><br>このアドラー心理学でハッとさせられるのが「目的論」でした。<br></p><blockquote>注目を引くことがその行動の「目的」であるというような見方を「目的論」といいます。<br>岸見一朗,アドラー心理学入門,KKベストセラーズ</blockquote><p><br>目的論で示される「目的」のイメージは、態度や言動が悪い生徒が”悪い行い”をしているのは、その生徒自身が”悪い行い”を目的として行っているという考え方です。<br>一般的には、「先生が厳しい態度で接しないからだ」とか、「親御さんの育て方が悪かった」など何かしら原因があるというふうな目線に持っていきがちですが、そうではなく、生徒自身その行動を通して何か成したいことがあるのだといった発想で見ていくのが本心理学的な見方のようです。<br><br>つまり、私たち人間が様々な感情のアクションを起こす際には、その行動は目的であってその裏には何らか理由があるとも考えられるように思います。一見簡単で当たり前のようにも見えます。<br><br>ですが、実際人間関係のなかでこの目的論の見方で目の前のことを理解していくのは、簡単ではない気もします。<br><br>うまくこの目的論を前提に家族や友達、会社の人や先輩後輩など、身の回りの人間関係を俯瞰して見てみることができるようになれば、真に求められることに気づくこともできるのかもしれません。<br><br>また、感情的に一方的に怒鳴ったり罵倒してくるような人に対しても、一歩引いた視点で冷静な分析をすることにもつながる気がしています。<br><br>私は昔から大声で罵倒したりする人が苦手で、接客業のバイトをする機会に理不尽な怒りを自分や仲間にぶつける人と対面すると頭がパニックになり、その後の行動が数テンポ遅れることがよくありました。<br><br>こうした自分の性格をうまく適応させるためにも、本心理学は有効な気がしています。<br><br>そういった意味でも、パニックになりやすい人でなくとも、対人でのお仕事をされるような接客業・サービス業のお仕事をされている方は、目的論を主軸とするアドラー心理学が大変有用なものとなるかもしれません。<br><br>---本書を読み進めると、アドラー心理学が大変現実的で厳しい面があることにも気付かされます。ですが、それだけ現実的に生かしていきやすい考え方の一つでもあるのだと感じました。<br><br>長い人生において悩むことも多い人間関係を、アドラー心理学を通して少しでも良いものとしていきたいものです。<br>リンク</p>

アドラー心理学と目的論を知る- 岸見一郎さん『アドラー心理学入門』

<p>哲学書と聞くとすごい難しそうなものなのだろうと、勝手に嫌悪感を抱いていました。ですが、いざ読み出してみると案外わかりやすい部分もあり、イメージが変わってきました。<br><br>本書アランの『幸福論』についても同じです。<br><br>読み進めるうちに、この考え方は実生活に今すぐにでも取り入れられるなと思うことがいくつもあり、難しくも楽しく読み進められた気がしています。<br><br>充実した日々を過ごしているはずなのになんだか日常に満足していないと思う方や、あれこれ考えやすい性格の方には是非手に取っていただきたい一冊であります。<br></p><h2 id="h795eb1f5a2">幸せに関する哲学書『幸福論』</h2><p><br>今から約100年前の1925年に幸福論の初版が出版され、ヒルティ、ラッセルと合わせて「三大幸福論」の一つとされます。<br><br>岩波文庫から刊行されている本書は神谷幹夫さんの翻訳によるもの。アランの示す幸福についてが93のプロポによって展開される内容です。<br><br>後書きに記される神谷さんの言葉が印象的であります。<br></p><blockquote>アラン『幸福論』は体系的に読まねばならないような本ではない。また一度読んでそれで終わりという本でもない。<br>p320,神谷幹夫訳,アラン 幸福論,岩波文庫</blockquote><p><br>プロポ一つ一つから学び感じ取ることが必要であって、そして、何度も読み返しながら深く自分の中に落とし込んでいく。そんな一つの哲学の味わい方であったり楽しみ方をも示されているように感じ、読了後に後書きを読みながらも再読を心して行いたいとも思わされた気がします。<br></p><h2 id="hfdc8a387f5">幸せに生きる方法</h2><p><br>訳者である神谷さんの先の言葉を引いておきながら大変恐縮ではあるのですが…自分なりにこの幸福論を読了して全体から感じた特徴がこの一節に詰まっているように思います。<br></p><blockquote>しあわせになる秘訣の一つは、自分の気分に無関心になるということだ。<br>p222,神谷幹夫訳,アラン 幸福論,岩波文庫</blockquote><p><br>人間は自分の気持ちや考え方、物の見方次第で、全ての苦楽を分別しているということだと思うのです。<br><br>一番単純であって、もうある程度分かりきったことではあります。ですが、この単純なことこそが答えのようであって、逆にいえば人生を生きていく上で”より幸せに生きる方法”というのはこれに限ったものである気もするのです。<br><br>実際に自分の気分や感情を切り離して目の前の事象や人間関係を考えることがどれだけ楽なことでしょうか。頭でわかっていても、実際にはそれを行動に移していくことは難しいものであり、だからこそ悩むわけではあるのですが。<br></p><h2 id="h763b34d119">自分の感情と体</h2><p><br>先述の通りこの『幸福論』は、大変実用的なことも示されているのが特徴的でした。中でも、特に前半部分にかけて示されている情念云々の部分。こちらは私自身の”心の薬”にもなったような気がしています。<br><br>自分なりに解釈しますと、結局不安や怒りといった感情・情念（強く囚われる感情）も体の病気のようなものであって、時が経てば落ち着くものであると。<br><br>そして、情念を抱くのもそれもまた体の仕組み、当然の成り立ちであって致し方ないことであると。だからこそ、そうした感情に囚われることはないと、そのように解釈しました。<br><br>つまり、日常的にお腹や胃が痛くなっても時間が経てば治るように、強い不安や怒りというものも同じで、時間が経てば引いて元通りの平常心が生まれるのだと、そのようなことだと思うのです。<br><br>私はパニックを持っており、日常的に強い不安に襲われることが少なくありません。<br>そうした時、これまでは不安感に襲われると「どうしようどうしよう」と焦って、より強い不安感に襲われていました。ですが、この不安感も一過性のものに過ぎないと考えられた時、前よりも早く落ち着くことができるようになった自分がいます。<br><br>もちろん完全に打ち消すことはできないのですが、強い不安をうまく受け入れる術を知れたのは、個人的には”幸せに生きる方法”を一つ得れたように感じます。<br><br>---シンプルイズベストともよく言いますが、ごく単純な考え方こそが答えであることを幸福論からも教えられたようです。<br><br>本書全てを理解することは容易いことではなく、今後も読み返すことで、著者であるアランの真意により近づきたいもの。とはいえ、先述のような自分なりにでも幸せに生きる方法を本書から認知できたことは、大変大きな収穫であったように思います。</p>

幸せに生きる方法を知る - アラン『幸福論』

<p>自分磨きを頑張りたい！<br><br>そうたって自分磨きを始めようと思い立った時、まずは外見的な魅力を磨きたくなりますよね。<br>それに対して「外見だけでなく中身を磨くことが重要」ということが至る所に書かれているのも事実。どちらも磨いてより素敵な自分へと昇華させていきたいものですが、私も多分に漏れず自分磨きをしようと思うと特に外見からどうにかしよう！と思いがちな方です。<br><br><strong>内面を磨くのは時間がかかるし、内面を磨くといっても何をしたらいいのかよくわからない</strong>と感じるのが理由にあります。<br><br>今回ご紹介する本は、元から自分磨きのために読んだ本ではなかったのですが「<strong>より自分らしく美しく生きるのにいい本だな〜</strong> 」と読み終えた後に素直に感じ、<strong>内面的な自分磨きをするならこうしたことを参考にしたい</strong>、と思うようになった本だと思いまとめてみました。<br><br>いますぐに結果として現れるものばかりではないかと思います。ですが、何からはじめれば良いかわからない<strong>内面的な自分磨きの「きっかけ」</strong>を見つける、そんなイメージで読み進めていただくと何かヒントを得ていただける気がしています。<br></p><h2 id="h1b0e63129c">内面から美しくなる！今すぐ読みたい自分磨きの本3選</h2><p><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/aad3c379fa594b45a0a6df082aaf8743/c3a2af29b66149848b8f91b42f888749/0C1A2680-min.jpg" alt=""><br><br>私は読書が大好きで、様々なジャンルの本を好んで読みます。<br><br>そういったこともあって、直接的に自分磨きのために読んだ本でないからこそ、多様なジャンルの本と触れ合うことが多角的に自分磨きへのアイデアとなることを最近は感じます。ですので、今回のこの記事を通して、色々な角度からの本のご紹介が、自分磨きの「きっかけ」となる何かを見つける一助になれば幸いです。<br><br>これまで読んできた中で、私自身が生きる上で参考にしたいと思った本を3冊ご紹介します。<br></p><h3 id="hd5c77acba2">塩谷舞さん『ここじゃない世界に行きたかった』</h3>

<p>著者は<strong>塩谷舞</strong>さん。<br><br>SNSを中心に目にされたことがある方も多いかと思いますが、文筆家としてエッセイを中心に素敵な言葉を紡がれて活動されています。<br><br>本書は、お住まいのあるニューヨークでのリアルな生活やご主人との生活で感じられたこと、異文化に触れる中で気付かれた多くのこと、これまでの人生の中で確立されたご自身の生き方などが赤裸々に綴られたエッセイです。<br></p><h4 id="h439321848b">”価値観の違い”をどう生き抜くか</h4><p><br>ニューヨークという日本とは全く違った多様な考え方や価値観、文化などが入り混じる中で、様々な葛藤を抱かれながらも懸命に生活される姿は大変勇気をもらえる気がしています。やはり<strong>生活をリアルに感じられる言葉を楽しめるのがエッセイの醍醐味</strong>であって、本書も海外での生活をリアルに感じられました。<br>そして、これまでの人生の中でご自身で確固たるものとされてきた価値観や生き方のようなものを通しては、<strong>「美しく生きる」ということを体現されている</strong>とも強く感じます。<br></p><blockquote>世界が鮮やかであることを忘れないために、自分とは色の異なる友人を大切にしたい。いま見えている色だけではなく、できれば育った環境も含めて。<br>塩谷舞さん『ここじゃない世界に行きたかった』</blockquote><p><br>この一文にもあるように、考え方の美しさだけでなく紡がれる言葉の数々も素敵で、<strong>本書全体を通して言葉に表されないような優しさや純白、淡いような印象を受けます。</strong><br>触れられているテーマとしては酷なものもあったりしますが、全体的な雰囲気にそれらの印象を感じるのはやはり、塩谷さんの人柄があってこそのものであると思うところです。</p>

<blockquote class="blogcard" style="width:auto;border:1px solid #aaa;margin:1em 0;padding:1em;line-height:1.4;text-align:left;background:#fff;"><a href="https://www.feel-life.site/blog/b1xjztoui0" target="_blank" style="display:block;text-decoration:none;"><div style="width:100%;margin:0 0 .5em;"><span style="font-size:18px;font-weight:700;color:#333">美しさに背中を押された - 塩谷舞さん『ここじゃない世界に行きたかった』</span></div><div style="min-height:100px;"><div style="float:left;width:100px;height:100px;margin:0 .5em;position:relative;"><img src="https://images.weserv.nl/?w=100&url=https://images.microcms-assets.io/assets/aad3c379fa594b45a0a6df082aaf8743/1480a946845c43a5b510d853262bcc82/0C1A9809.jpg" alt="thumbnail" style="display:block;margin:0;padding:0;width:100%;height:auto;border:none;position:absolute;top:50%;transform:translateY(-50%);"/></div><div style="padding:0 .5em;overflow:hidden;text-overflow:ellipsis;"><span style="font-size:12px;font-weight:400;color:#373">https://www.feel-life.site/blog/b1xjztoui0</span></div></div></a></blockquote>

<h3 id="ha9de481a35">稲盛和夫さん『生き方』</h3>

<p>本書は現在の京セラを設立された<strong>稲盛和夫さん</strong>の著書です。<br><br>私の手元にあるのは2019年に刷られたものですが、帯には「120万部突破！」と書いあり、現在も書店で色褪せず並べられていることからもわかるように、多くの方に愛されている名著といえる一冊であります。<br><br>現在のKDDIの設立も行われ、出家もされたりと多くのご経験をされた中から、真の意味で正しく生きるために必要なことが記されています。</p><h4 id="h596fd20bd1">稲盛さんが見出されたのはシンプルな「生き方」</h4><p><br></p><blockquote>人間として正しい生き方を志し、ひたすら貫きつづける。それがいま私たちにもっとも求められていることではないでしょうか。それこそが、私たち一人ひとりの人生を成功と栄光に導き、また人類に平和と幸福をもたらす王道なのです。<br>稲盛和夫さん『生き方』</blockquote><p><br>稲盛さんが示される生き方は、とにかく<strong>人間として正しく生きること</strong>。これにありました。大変シンプルなもので、誰でもできるわかりやすいことです。<br>だからこそ<strong>稲盛さんの生き方にはまさに、凛とした美しさ</strong>を感じました。<br><br>今からかなり昔ですが、高校生の時、友達のお父さんが本書を人生のバイブルにしていると伺ったことがありました。当時私もたまたま本書を手に取ったことがあったのですが、まだ未熟だった私にとっては、あまり響かなかったことを失礼ながら感じていたのが今でも思い出されます。<br><br>ですが、こうして大人になって読み返してみると心に刺さる言葉がたくさんあり、今一度自分の生き方を考え直さなくてはいけないと強く感じさせられます。</p>

<blockquote class="blogcard" style="width:auto;border:1px solid #aaa;margin:1em 0;padding:1em;line-height:1.4;text-align:left;background:#fff;"><a href="https://www.feel-life.site/blog/rp9zsct6c3cg" target="_blank" style="display:block;text-decoration:none;"><div style="width:100%;margin:0 0 .5em;"><span style="font-size:18px;font-weight:700;color:#333">美しく生きるということ - 稲盛和夫さん『生き方』</span></div><div style="min-height:100px;"><div style="float:left;width:100px;height:100px;margin:0 .5em;position:relative;"><img src="https://images.weserv.nl/?w=100&url=https://images.microcms-assets.io/assets/aad3c379fa594b45a0a6df082aaf8743/75d01f922f244ec8a87a1d5868d3700b/0C1A9507-27-min.jpg" alt="thumbnail" style="display:block;margin:0;padding:0;width:100%;height:auto;border:none;position:absolute;top:50%;transform:translateY(-50%);"/></div><div style="padding:0 .5em;overflow:hidden;text-overflow:ellipsis;"><span style="font-size:12px;font-weight:400;color:#373">https://www.feel-life.site/blog/rp9zsct6c3cg</span></div></div></a></blockquote>

<p>明治時代の思想家である<strong>岡倉天心</strong>の著書です。<br><br>お茶・茶道というものが如何にして成り立ち、どのように人々に愛され浸透し、その根底となる部分にある哲学や美学がどういたものかを、茶道の前線を進まれた方の言葉で綴られています。<br></p><h4 id="h5132f100f3">落ち着きを楽しめる人に</h4><p><br>茶道をされている方こそ、イメージとして美しく凛とされているようなイメージを抱きます。<br><br>それぞれの所作にはじまり、空間からお出しするものの数々まで礼節を欠くことがないよう、事細かく考えられているからこそ、やはり茶道をされている方は美しさを体現されているような気がするのです。<br><br>そんな茶道の中身に近づいていくと、一種の<strong>哲学的な考え方や見方が存在</strong>しており、そこに落ち着きを楽しむ「<strong>茶道ならではの考え方</strong>」があることに気付かされました。<br><br>本書にも書かれているように、禅の思想や礼節から茶道は発展したとされるからこそ、仏教由来の哲学も見受けられることがわかります。<br>仏教には諸行無常という教えがあり「全てのものは常に同じ状態でなく、必ず変化するものである」といったようなこの教えは、<strong>その場の一瞬を大切にする茶道</strong>において、あらゆる部分に表されているのだとも考えさせられました。<br><br>こうした<strong>茶道に見られる哲学的な感性・考え方</strong>を、視点を変えて、<strong>日常生活の中で自分なりに見出せること</strong>は、余裕のある人間へと自分を成長させる足掛けにもなるのではないでしょうか。</p>

<blockquote class="blogcard" style="width:auto;border:1px solid #aaa;margin:1em 0;padding:1em;line-height:1.4;text-align:left;background:#fff;"><a href="https://www.feel-life.site/blog/4fk0b-ghnwh" target="_blank" style="display:block;text-decoration:none;"><div style="width:100%;margin:0 0 .5em;"><span style="font-size:18px;font-weight:700;color:#333">茶道の文化や哲学、美学を知る - 岡倉天心『茶の本』</span></div><div style="min-height:100px;"><div style="float:left;width:100px;height:100px;margin:0 .5em;position:relative;"><img src="https://images.weserv.nl/?w=100&url=https://images.microcms-assets.io/assets/aad3c379fa594b45a0a6df082aaf8743/dbaaf1e4eac64a49bb2830b421d4544b/0C1A1157.jpg" alt="thumbnail" style="display:block;margin:0;padding:0;width:100%;height:auto;border:none;position:absolute;top:50%;transform:translateY(-50%);"/></div><div style="padding:0 .5em;overflow:hidden;text-overflow:ellipsis;"><span style="font-size:12px;font-weight:400;color:#373">https://www.feel-life.site/blog/4fk0b-ghnwh</span></div></div></a></blockquote>

<h2 id="h2ee3f0ee4c">自分磨きの本をより生かすために</h2><p><br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/aad3c379fa594b45a0a6df082aaf8743/af55882e41f747cbad51119a6bddd0ce/0C1A2684-min.jpg" alt=""><br><br>今回は3つの本をご紹介させていただきました。<br><br>どの本にも共通することとして私なりに「美しさ」が根底にあると思っています。それは外見的な美しさだけでは醸し出すことのできない、<strong>真の人としての美しさ</strong>であり、いますぐに実践できるものではないかもしれません。<br><br>ですが、こうした人間らしい<strong>内面の美しさこそ本当に必要なもの</strong>であって、きっと後には外見的な美しさとしても滲み出てくるものである、そう思うところです。内面を磨くことはそう簡単なことではありませんが、より良い自分になるためにもまずは内側から美しくありたいものです。</p>

「内面から美しくなる」そんなことを体現できるような気持ちになれる本をいくつかまとめてみました。自分磨きをしたい方が、外見的な美しさだけでなく内面からの真の美しさを手に入れ、より自分らしく美しく生きる方法を見出す。そんな自分磨きの一助になれば幸いです。

哲学

早起きした朝に