<p>日々新たな本が発売されています。</p><p></p><p>今回は7月1日〜7月7日までの第一週に発売される新刊の中から、「早起きした朝に」を運営する私の感性や主観をベースにぜひチャックしたい新刊本をご紹介します。</p><p></p><p>今週の新刊本では特に、気になる旅エッセイがいくつかあって実際に書店で手に取ってみたいな〜と思うものが多かったです。私自身エッセイが好きなので偏りがちな部分はありますが、エッセイ以外にも小説やビジネス書なども併せてご紹介します！</p>

<h2 id="hb8805a2cd5">今週発売の新刊！チェックしたい本をご紹介</h2><h3 id="h358f0004a4">コート・ダジュールの小さな旅 - 小峰和夫 小峰良子</h3><p></p>

<p></p><p>「コートダジュール」は南フランスの地方の名前のようで、モナコやカンヌなど私たちも聞き馴染みのある都市も含まれる地中海に面した一帯を指します。</p><p></p><p>本書はそんなコートダジュールの中でもルノワールやピカソなど有名な芸術家と縁のある街を旅するもの。朝市、カフェ、マリーナ、民宿など、それぞれの街での滞在を通して感じられたことが綴られるようです。</p><p></p><p>アートが好きな私としては特にルノワールに関連するお話が気になります！</p><p></p><h3 id="h5149cdf665">明日、パリを歩くなら――何度でも迷い込みたい小道のお話 -トリコロル・パリ</h3>

<p></p><p>パリ市街地の1区から20区の中にある小道を中心に166箇所のそれぞれの魅力が綴られた1冊。</p><p></p><p>私は実際にいったことはないのですが、ヨーロッパの様々な都市の路地や裏路地の雰囲気が好きで惹かれます。</p><p></p><p>狭い道も多く、家々の窓やベランダにお花が植えられていたりする光景や、緑とうまく調和している様子がものすごく魅力的に感じます。</p><p></p><p>本書はそんなヨーロッパ、特にパリの小道に特化したもの。読んだら行きたいくなるんだろうな〜〜〜なんて思います。</p><h3 id="he57f7fbbf6">旅する印象派 　パリから世界へ - 富田章</h3>

<p></p><p>今回色々とご紹介する中でもトップレベルに気になっているのがこちらの『旅する印象派 　パリから世界へ』です。</p><p></p><p>私自身美術作品が好きで特に好きなのが印象派の作品の数々。</p><p></p><p>本書はそんな印象派の作品や画家と世界の有名な国々がどのような関係にあって、どのような発展を遂げてきたのか。そんなことを楽しめそうな一冊です。</p><p></p><p>ヨーロッパだけでなく、日本を含めたアジアの国々やカナダやアメリカなどアメリカ大陸での発展についても知ることができます。</p><p></p><p>印象派の作品が好きなら手に取ってみたい一冊です。</p><p></p><h3 id="hc70759d210">最新版 スウェーデンへ —— ストックホルムと小さな街散歩 - 田中桜</h3>

<p></p><p>「水の都」といえばベネチアを思い浮かべる方も多いと思います。私もその一人で、ベネチアのゴンドラが行き交うような情景に強い憧れを抱きます。</p><p></p><p>ですが、スウェーデンのストックホルムも「水の都」として有名だそうです。ストックホルムはヨーロッパらしい街並みと現代的な暮らし、「水」を中心とした自然と調和した魅力的な街。</p><p></p><p>著者の田中桜さんはご自身で北欧ヴィンテージ雑貨のオンラインショップも経営されているようで、現地に住みながら感じられた魅力や現地の様子が楽しめそうな一冊。</p><p></p><p>特に北欧の雰囲気やであったり暮らしに興味がある方は注目の一冊かもしれません。</p><p></p><h3 id="hac98fa086f">アート脳 - スーザン・マグサメン/アイビー・ロス</h3>

<p></p><p>ここ数年アート思考といった言葉を目にする機会増えてないでしょうか？</p><p></p><p>ビジネス分野を中心に「アート思考」ということが重要視されています。</p><p></p><p>私も美術作品を好きになってからアートに関しての本を読んでみるようにもなりましたが、日常的にアート的な視点で物事を考えてみると新たな視点に気付かされることがあります。</p><p></p><p>本書はアートがビジネスに限らず私たちの生活にどのような影響を及ぼしているのかについて、科学的根拠も併せながら知ることができる一冊。</p><p></p><p>場合によっては抗うつ効果を発揮したり、体を整える方向に活用されたり、学習能力を向上させる力も期待されるようです。</p><p></p><p>こうして広く生活に関わることを考えると大変興味深く思いますね。美術館に行きたいです。</p>

<h3 id="h32d1296086">ややこしい本を読む技術 - 吉岡友治</h3>

<p></p><p>タイトルからしてわかりやすくて素敵ですね。</p><p></p><p>読書が好きな人でも”ややこしい本”となると、少し読み進めるのが億劫になった経験もきっと少なくないと思います。私はあります。すぐ眠くなりますよね。</p><p></p><p>著者の吉岡さんは難しい本を読めないのは自身の頭の問題ではなくて、難しい本を読むための技術が足りていないからだと示されています。</p><p></p><p>本書は、そうした難しい本を読む技術についてが解説されている一冊。</p><p></p><p>なかなか本を読むことができない方は、まずは型を習うつもりで本書を手に取られてみてはどうでしょうか？</p><p></p><p></p><h3 id="h7c6b29ac65">自分にあった方法が見つかる! 勉強法図鑑 - 西岡壱誠 東大カルペ・ディエム</h3>

<p></p><p>最近はリスキリングと呼ばれる大人の勉強が注目されています。</p><p></p><p>リスキリングは今の仕事や転職に向けて必要なスキルを得るために勉強を行うことで、政府としても大きな支援を行い始めています。</p><p></p><p>本書はそんな大人の勉強にももってこいともいえそうな一冊。</p><p></p><p>試験の対策のためか、語学勉強のためか、仕事のためか、自分の目的や目標に合った勉強法が見つかるかもしれません。</p><p></p><h3 id="he9091d4ab3">眠れぬ夜のご褒美</h3>

<p></p><p>小説に出てくるご飯やグルメってなんだかより美味しそうに感じます。</p><p></p><p>こちらは標野凪さん、冬森灯さん、友井羊さん、八木沢里志さん、大沼紀子さんの5名の作家さんたちのお話が詰まった短編集。</p><p></p><p>夜食とタイトルにもあるように、お食事をテーマに様々な人間模様を楽しむことができる一冊のよう。</p><p></p><p>深夜にラーメンを食べるお話もあるようで、超絶お腹が好きそうではありますが、それぞれの展開に気持ちは大きく満たされそうです。</p><p></p><h2 id="h5564c2a1f0">7月発売の新刊をぜひチェック！</h2><p></p><p>今回は2024年7月第1週に発売の新刊から、気になる本をピックアップしてご紹介しました。</p><p></p><p>冒頭でもお伝えした通り、今回は特に自分の好きな旅エッセイ系が大変豊富な印象で、特に『旅する印象派 　パリから世界へ』や『明日、パリを歩くなら――何度でも迷い込みたい小道のお話』は非常に気になります。</p><p></p><p>なかなか円安によって海外旅行が難しい方も多いかもしれませんが、今回紹介した旅エッセイを手に取って、旅する気分を味わってみてはいかがでしょうか？</p>

7月1日〜7月7日までの第一週に発売される新刊の中から、「早起きした朝に」を運営する私の感性や主観をベースにぜひチャックしたい新刊本をご紹介します。

【7月第一週】今週発売の新刊！チェックしたい本をご紹介【エッセイ・ビジネス書など】

<p>利他、利他、とよく聞く言葉ではありますが、利他という行為がこんなにも奥深く難しいものであると思いませんでした。大変難しい。そう感じたのが読後の率直な感想でもあります。<br><br>コロナにより私たちの生活は多様な苦痛を伴うこととなりました。こうした世の中だからこそ大切にしたい「利他」の精神には、ただ人に施せばそれでおしまい、と簡単なことでもないように感じさせられるのです。<br><br>共存が重要視されるこの世の中において、私たちが大切にすべき思いやりの心の本質に改めて触れてみます。<br></p><h2 id="hbc3664390c">多角的な考察『「利他」とは何か』</h2><p><br>本書は、美学者の伊藤亜紗さん、政治学者の中島岳志さん、批評家で随筆家の若松英輔さん、哲学者の國分功一郎さん、小説家の磯崎憲一郎さん<sup>(1)</sup>の5人の方々による共著です。<br><br>皆様ご自身の専門的な立場から「利他」について多様な考察がなされ、利他という行為がただ人のために施すということだけにとどまらないことを思い知らされます。<br><br>特筆すべきは、利他という行動にも負の側面が生じることもあるといった点。簡単にいえば「助けてあげたんだから何かお返しをくれるはずだ」「これだけやったし、きっと自分の思うように考えるはずだ」と恣意的とも取れるように利他を行うこと。<br><br>これは利他の本質的な部分ではないということです。<br><br>ですが、利他にはそうした自分本位な考え方を自然と行なってしまう危険があることに気付かされます。<br></p><h2 id="hc08c33cf56">魚の釣り方を教えるか、それとも魚をやるか</h2><p><br>個人的にかなり唸った一説に次のような部分があります。<br></p><blockquote>ハリファックスは「真の利他性は、魚の釣り方を教えること」だと言います。<br>伊藤・中島・若松・國分・磯崎, 「利他」とは何か, 集英社新書</blockquote><p><br>私たちはしばしば他人に何かをしてあげようとするとき、全てをやってあげるということを頭に浮かべてしまいがちであると思います。特に困っている時であれば尚のこと。良かれと思って全てをやってしまう部分は少なからずあるはずです。<br><br>どうしてもなんとかしてあげたい！という思いが先走ってしまって、これは仕方のないことだと思うのですが、ですが先の一説をみたときにハッと気付かされます。<br><br>その時に問題は解決しても本質的な解決方法を助けてあげた・やってあげた相手に対して、うまく示したり考えてもらうことができない。それはつまるところ、この先また悩みに直面した時に、うまく解決できないことにもつながるのだと。相手の考える力を奪ってしまうことになりかねないと思います。<br><br>職場で書類の作成に困っている人がいた際に「いいよ私やってあげる！置いといて！」では、この先も同じような書類作成に困る場面が出てくる。日常レベルで言えばこういうことであり、相手を思いやるという行動が短期的な視点だけで考えてしまってはいけないことを気付かされます。<br></p><h2 id="h7ad1d7b599">自分中心の「利他」</h2><p><br>先にも紹介した通り、「利他」においてデメリットとも取れる部分として恣意的な利他に陥るといったことをご紹介しましたが、この部分についてももう少し触れたく思います。<br><br>本書全体を通した印象として、利他に備わる負の面に自分の利益を考えたような恣意的な利他があったと感じています。<br><br>「やってあげたんだから何かちょうだい？」といった見返りを求める姿勢は容易に想像も付き、確かに問題であると思うのですが、ここで考えるべき問題は、自然と出てしまう負の利他です。<br><br>言葉は良いものではありませんが「ありがた迷惑」というのが分かりやすいかもしれません。自分は相手が喜ぶと思ってやった行動も、そこには受ける側にとって問題となる部分があったりします。時にそこには、受ける側の自由を阻害することもある。結果的に間接的に相手を支配しかねでしょう。<br><br>「ありがた迷惑」ととられる行動も大抵が我慢できることかと思いますし、さほどの問題でいかもしれません。ですが、時にそうしたありがた迷惑が相手の自由や尊厳を奪ってしまいかねないことも大変考えさせられました。<br><br>またこの問題の厄介な核として、やった本人は「良いことをしてあげた」と良い気分に満たされる。<br><br>ここでは深く言及しませんが、本書をご一読いただくとどのような自由や尊厳を奪いかねないかが見て取れるかと思います。適切な思いやりの心を持てるように、日々色々な立場にたって物事を見たいと考えさせられました。<br><br>--- 日常においてはついつい良いことをしてあげたくなるものですが、本当の意味で相手を思いやるなら、変に深入りしすぎないことも大切なのかもしれません。<br><br>ソーシェルディスタンスを意識するようになりましたが、意味のある利他を行えるようにするためにも、適切な心のディスタンスというのも日々模索していきたいものです。<br><br><span style="background-color:#dddddd;font-size: 0.75em">(1)皆様の肩書きにつきましては、本書背表紙に記載されているものを参照させて頂きました。</span></p>

本当の「利他」を考える - 伊藤亜紗さんら共著『「利他」とは何か』

<p>いつからでしょうか、私は一人の時間が好きになりました。<br><br>本を読むのが好きで、好きなだけ自分の思うように本を読むことができる。そんな時間が欲しいなと思ううちに、気づくと一人の時間が好きになっていた自分がいます。<br><br>時々、こうした自分の時間を求めることは果たして良いことなのだろうか？と不安になることもあります。ですが、本書を通して一人の時間こそ大切な時間なのだと、肯定されたような気がしています。<br><br></p><h2 id="h1f0fa71a78">本当の孤独を知れる『極上の孤独』</h2><p><br>NHKのアナウンサーとしてキャリアをスタートされてからはフリーとなり、民放のキャスターも経験され、現在は作家活動を主としてご活躍されています。<br><br>エッセイや小説等多様なジャンルでの執筆をされており<sup>(1)</sup>、新書コーナー等で下重さんの書籍を目にされた方も多いのではないでしょうか。<br><br>本書では、そんな様々なご経験から確立されたであろう、下重さんなりの孤独との向き合い方を知ることができる一冊です。<br><br>孤独という言葉だけを聞けば「なんだか寂しい人」という印象も持たれることもあります。昨今特にSNSをはじめとしたツールは、外に出なくても”誰かと繋がっている”という状況が作り出されるだけに、より一層孤独というものに対して、なんらかの嫌悪感を抱く方も少なくないかもしれません。<br><br>ですが、この孤独とうまく向き合うことができれば、人をより成長させ、より魅力的に、より品格のある人物へと昇華させるものであるのだと気付かされる。そのような内容となっています。<br></p><h2 id="h54d1586ee1">こんな時代だからこそ「孤独」でいたい</h2><p><br>先にも書きましたが、今はSNSというツールで常に誰かと繋がっていますね。<br><br>私もそうなのですが、暇さえあればインスタで誰かのストーリーを見てみたり、Twitterでトレンドを眺めていたり。隙間時間があればSNSを触ってしまうような状況。<br><br>時にはそこからなんとも言えない気持ちになることもあり、特にストーリーなんかを見ると「自分は何をしているのだろうか。。。」と、なんだか寂しさに苛まれることも少なくありません。<br><br>またLINEでの会話なんかをとってみても、顔が見えないだけに「自分の一言が何か不快な思いをさせてしまったかな？」と思うことは、皆さんにも共感していただける部分があるかと思います。<br><br>実際本書ではスマホ云々についても言及がなされていますが、やはりSNS、ひいてはスマホをはじめとした現代のツールからはある一定の距離感を保つのが精神衛生上いいものである気がしています。<br><br>そうした意味では、こんなにも便利で距離感が近い時代だからこそ、気持ちを良い状態に保つためにも孤独の時間を大切にしたいと考えました。<br><br>自分のやりたいことに没頭できて、頭の中であれこれ考えるうちに自分の思考も確立される。孤独な時間がそんな素敵な時間なのだと、本書を読み進めれば強く感じられます。<br><br>よく一流の人は孤独だなんてことが言われますが、そんな大層なものでなくても、やはり孤独な時間を作ることは精神的にも自分の成長といった面でも、大変意義のあるものだと気付かされました。<br></p><h2 id="h4564a7e520">「孤独」だけではきっとうまくいかない</h2><p><br>とはいえ、孤独の時間だけを求めたらいいのかというと、それも当然違うはずです。大切なのはバランスなんだろうと、読後に考えました。<br><br>本書では孤独というものの考え方と合わせて、どのように孤独な時間を作り上げたり、ゆっくりと味わうのかといった具体的なことも示されています。途中では中年からの孤独の過ごし方も言及されていますが、ここから考えるに、いかに仕事や家族、仲間との時間を楽しく有意義にしながらも、自分自身と向き合う孤独な時間を捻出するか。<br><br>これが大事であって、素敵な歳の重ね方をされている方ほどきっとm孤独な時間の作り方が上手いのだろう。そんなことを考えました。<br><br>「仕事ができる人は遊びも上手い」なんてこともどこかで聞いたことがありますが、これは孤独な時間を味わうことも同じであって、自分の時間をうまく大切にしながら全てを楽しんでいる人ほど歳を重ねてからも生き生きしていて、品があるように思うのです。<br><br>私は気疲れをしやすい性格なのもあり、外出したり友達と遊ぶとものすごく疲れやすかったりします。そうしたこともあってか、孤独な時間が大好きです。まだまだ有意義な孤独な時間を過ごせている自負はありませんが、今後はさらに孤独な時間とそうでない時間とをバランスよく楽しめる人間でありたいと思いました。<br><br>--- 今でいう「ぼっち」な時間も孤独なのかもしれませんが、ぼっちはぼっちなりにたくさんの良さがある愛しい時間だと私は思います。ぼっちな時間大好きです。<br><br>そんなぼっちな時間を、歳をとっても恥じることなく、うまくバランスを保ちながら味わいたいものです。</p>